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発表会が終わりました

 

梅雨のような長雨ののち、夏の日差しが戻ってきた週末に発表会を開催しました。

本来ならば昨年開催する予定がパンデミックのために延び、前回から実に2年10ヶ月ぶり。
その間に外部のコンサートに出演した生徒さんもいましたが、教室としては久し振りの発表会、全体のレベルが上がって生徒さんの音楽が変わってきたな〜と手応えを感じることができました。

教室を始めて約10年、やはり教えが定着するのにそのくらいの期間が必要なのですね。
10年の間には当然生徒さんの入れ替わりがあり、他の先生から移って来られる方、初歩から教えている方とバックはさまざまなのに不思議な事です。

特に御木本メソッドをレッスンに取り入れ始めてからは音楽的な要求『どんな音で弾きたいか』と、それを実現するための技術『どのように身体を使うべきか』がつながって音の聴き方が変わり、ぐんと伸びました。毎回手伝ってくれる身内もそれは感じたようです。

もう一つ、演奏の出来栄え以外で私が発表会の度にうれしく感じるのは、聴きにいらっしゃる保護者の皆様がとてもあたたかい雰囲気ですべての演奏に耳を傾けて下さる事です。
コンサートは演奏者と客席のエネルギーの交換だ、と誰の言葉か忘れましたが、それが生演奏の醍醐味ですよね。
演奏者が緊張感に押し潰されず自由になれるかどうか、客席の空気ひとつで変わってしまうと言っても良いくらいに。昨年来無観客が続いたオーケストラの方も、如何にお客様がいることでエネルギーをもらっていたか分かった、とおっしゃいます。


今回のイギリス館、ホールの外に見えるお庭を緑をながめながら、いささか賑やかすぎる蝉時雨の中での演奏を聴いていて、ふと八ヶ岳音楽堂で催されたハンガリーの恩師のコンサートを思い出しました。
あの時も蝉ではないけれど鳥の声、虫の声が聞こえて、始まった時は明るかった空が少しずつ暗くなり終演時には真っ暗に〜実に幻想的でした。
ヨーロッパではイギリスのプロムナードコンサート、ベルリンフィルの野外コンサートなど夏の屋外でのクラシックコンサートの伝統がありますね。
あれ、きっとヨーロッパに蝉がいない(少ない?)から可能なのねぇ。

私の田舎の実家は春はうぐいす、夏が近づくと山鳩?真夏は蝉の大合唱、カレンダーなんて見ていないはずなのに毎年8月の末の夕刻になると決まってコオロギや鈴虫が鳴き始める….と一年中とても賑やか、セロ弾きのゴーシュさながら野の生き物とともに練習していました。
イギリス館を心地よく感じるのはそのためでしょうか?皆さんはいかがでしたか。

私の細かい要求に高いレベルで応えてくれた生徒の皆さん、支えてくださったご家族の方々、ありがとうございました。本当に良い一日でした。