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再びイギリス館へ

 

先日、イギリス館でピアノとチェロのアンサンブル講座を聴講してきました。

 

このシリーズは今回が3回目、1回目(ヴァイオリン)のチラシを偶然見つけて聴講に押しかけ、2回目の日本歌曲・ドイツ歌曲の回に念願かなって受講させていただき、1年半ぶりです。

 

この講座が他と違って面白いのはピアニスト、チェリスト双方からのアドバイスが聞けること。

山ほどアンサンブルを経験されている先生方も普段の合わせではことさらに言葉で自分の音楽づくりについて語ったりはしない…音で語れなければ仕事にならないでしょうからね…講座という形でお互いの頭の中が見える、それもまた楽しそうであります。

 

で、この日のチェリスト宮坂さんの語録

「出だしのCの音に責任もって!」←フォーレの”夢の後に”の初っ端

「血圧上げて!」

「この和音はぎゅっと(絞るしぐさ)ぞうきん絞るように!」←痛みを感じるような二度の重なりを表現するために。

などなど(^^♪

 

プロの演奏家の方はそれぞれにご自分の語録を持っておられて、それが聴けるのも貴重です。

 

ヴァイオリンは身内が弾いているし、声楽は日頃からコーラスの指導を聴いている一方、チェロは自分の身近に演奏する人がいない未知の楽器。一本弦をまたいで次の音に移る時のタイミングだとか、ピアノでは気にならない程度の跳躍でもチェロだと指板の上から下ギリギリまで一気に動くほどの距離があるのでそれを感じてほしいなど、チェロってそうなんだ!というお話が沢山聴けました。

ヴァイオリン以上にオクターブの積み重ねを意識しないとバランバランにしか聴こえないおそろしさも。

 

ピアニストの池浦さんはチェリストの要求を実際の音にするために、耳の使い方、手の使い方など具体的に指示してくださるので受講生の音がどんどん変わっていくのでした。

なんですが!!池浦さんと弾いているときの宮坂さん、受講生の時より自由度が一気に数段上がるのですよ。ピアニストの力って…す、すごい。

 

ピアニストは右手(高音)主導にならない、

ダウンビートにならない、

和声の変化を和音の共通音で先取りしていく、Ⅰ→Ⅳ46 とかⅠ46→Ⅴ7→Ⅰ

裏拍から次の小節に、

和音の第三音はマイルドに、

弦の発音と喧嘩しない音質にする、

など受講したと際に教わったのに忘れてた!ような事も思い出せて、講座を継続してくださるってありがたいなぁ!と思いつつ「早く帰って練習しよ!」とやる気になって帰ってきたのでした。