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学び直しではなく、学び壊し

 

最近、アンラーンunlearn…学び壊し という言葉を知った。

 

大人が何かを学ぶとき、学びを付け加えるのではなく、今持っている知識や技術をいったん手放して白紙の状態から新しく吸収する、というものらしい。

私の御木本メソッドの講師資格取得のための数年間も「アンラーン学び壊し」だったかもしれない。

今までの延長線上に何かを重ねてもうまくいかないな、と始めてすぐに感じたから。

 

若い時の学びは大体は受け身で、その時間を何とかやり過ごし怒られないように、恥をかかないように、周りの目を気にしながら、になりがちで自分もそうだった。些細なことで自信を無くしたかと思えば自分はもう一人前だとばかりに反抗してみたり。それでも何もインストールされていない10代20代は、ふとしたきっかけでヒョイッと高いハードルを越えられたり、何気ないアドバイスからメリメリと脱皮できたり変幻自在なのだ。やればやっただけ身につくといわれるゴールデンエイジ!だから若いうちにう~んと学べ、と先生方は異口同音におっしゃるし、手をかけ目を配り正しい方向に導いてくれる先生が必要な時期なのだと思う。

 

でも40代にもなると導かれるままにハードルを飛び超えていたり、メリメリ脱皮したり、なんてことは全く起こらなくなった。意識的に学んだことも感覚的に行っていることも(良いこともマチガッテいることも)鎧のように身にまとい、新しいことを習得しにくくなっていたことに気づく。何かが身についてしまった状態から新しい学びを加えるって無理。頭をひねってひねってここがおかしいから今までやっていたこれをやめて・・・・と10代の学びの何倍もの時間がかかる。

いっそのこと見なかったことにして自分の弱点に気づかなかったふりをしているほうが楽なんじゃない?とささやく自分もいれば、でも変わりたいじゃん!と言ってくる自分もいる状態。

 

ここであきらめないための心得は私の場合はただ一つだった。

続けようか、辞めようかなどと敢えて考えない。淡々と前に進むのみ。未完に終わっても失うものもないし。

これはどんなケースにも当てはまります、とは全く言えないけれど一度でも身をもってこんな経験をしておくのは悪くなかったな、と思う。

 

しかし、公開レッスンなど聴講していて若い受講生がどんどんと変化していく(本人に自覚なく…)のを目の当たりにするとやっぱりめちゃくちゃうらやましい。